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映画「22年目の告白 ー私が殺人犯ですー」レビュー 【ネタバレあり】

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はじめに

 

2017年6月に公開された「22年目の告白 -私が殺人犯ですー」ですが、衝撃的なストーリーと藤原竜也さん、伊藤英明さんの名演で大ヒットを記録しました。

先日発表された日本アカデミー賞で、藤原竜也さんはこの映画で主演男優賞にノミネートされましたね(残念ながら菅田将暉さんに持って行かれてしまいましたが)。

 

今回は、遅ればせながらDVDにてこの映画を鑑賞しましたので、レビューを書いてみたいと思います。

(一部ネタバレがありますので、これから見ようという方は注意!です。)

 

 

あらすじ

 

1995年、同一犯による5件の連続殺人事件が日本中を震撼させた。

犯人はいずれも被害者と親しい者に殺人の瞬間を見せつけており、殺害方法は背後からの絞殺、そして目撃者は殺さずに犯行の様子をメディアに証言させる、という独自のルールに基づいて犯行を重ねていく。

捜査を担当する刑事・牧村(伊藤英明)は犯人を逮捕寸前まで追い詰めるが、犯人の罠にはまって上司を殺された上に犯人を取り逃がしてしまい、事件は未解決のまま時効を迎えてしまう。

そして事件から22年後、突然、連続殺人事件の犯人を名乗る男・曾根崎(藤原竜也)が執筆した犯行の手記「私が殺人犯です」が出版される。

曾根崎は出版記念会見にも姿を現し、その端正な外見もあってマスコミ報道やSNSを通して一躍時の人となる。

果たして曾根崎の目的とは何か?

捜査担当だった刑事・牧村はどうするのか?

 

 感想など

 

あらすじだけを読むと、推理もの、サスペンスもの、という感じがしますが、実はジャンル分けが非常に難しい映画です。

犯人探しの推理もあり、犯人を追う刑事を描いたサスペンスでもあり、また殺人の被害者にスポットを当てた人間ドラマでもあり、犯行を名乗り出た犯人に対するマスコミの扱い方を描いた社会派ドラマでもあり、いろいろな要素が詰まっているからです。

 

物語は前半部と後半部で大きくその様相が異なっています。

 

まず前半部。

「私が22年前の殺人事件の犯人です」と名乗りでた曾根崎に対して、当時、事件の担当でもあり、妹を殺害された被害者でもある牧村は心中穏やかではありません。

時効を過ぎてもう逮捕できないことはわかっているのですが、執拗に曾根崎の動きをマークします。

その曾根崎を、マスコミはまるでヒーローのごとくチヤホヤと扱うんですね。

著作の出版記念会見には多くの人が集まり、テレビのワイドショーでは連日特集が組まれる有様。

もちろんネガティブな世論もありますが、良くも悪くも曾根崎は時代の寵児となってしまうんですね。

このあたりは、「曾根崎の本当の目的は何か?」「この後ストーリーはどのように展開していくのだろうか?」と頭の中は「?」マークだらけです。

 

そして事件は起きます。

 

「曾根崎はニセモノだ。俺が本当の犯人だ。」という男が名乗り出てきたのです。

犯行当時に事件を大々的に取り上げたキャスター・仙堂(仲村トオル)の番組にて、曾根崎、牧村、真犯人と名乗る男の三者会談が実現しました。

テレビ・カメラが回る中、三人の会談は進んでいきましたが、突然、曾根崎が持っていた万年筆で真犯人と名乗る男に飛びかかり、これをきっかけにスタジオは大乱闘の場となってしまいます。

そして、その結果として曾根崎は白状します。

 

「私は犯人ではありません。」

 

ここからが後半部です。

結局、真犯人と名乗った男も、ネットを通じて犯人を演じることを依頼されただけであって、それでは真の「真犯人」は誰なんだ!という犯人探しのストーリーに変わっていきます。

 

実際には、登場人物がそれほど多くないため、意外と簡単に犯人の予想ができてしまうので、犯人探しの(推理小説的な)面白味には欠けると言えるでしょう。

それよりも、なぜその真犯人が犯行に至ることになったのか、そして法では裁けない時効の過ぎた犯罪の犯人をどのように(誰が)裁くのか、という点に焦点が当てられます。

 

そして明らかになる真実、そして(エンドロール後の)衝撃の結末。

 

このように、実に応えのある映画です。

 

藤原竜也さん、伊藤英明さんのキャスティングがいいですね。

前半部では、藤原竜也さんの犯人としての演技が光りますね。映画「藁の楯」を彷彿とさせる、「クソ野郎」の犯人を実に見事に演じています。

藤原竜也さんが演じる役には、「純朴」「あどけなさ」「一途さ」を感じることができますね。映画「カイジ」「インシテミル」などではそんな主人公がピッタリはまっていますし、この映画や「藁の楯」「るろうに剣心」などで見せる悪役でも、狡猾さ、ずるがしこさを感させない、純朴で一途な悪役を演じることのできる数少ない役者さんだと思います。

また、伊藤英明さんの熱い刑事役というのもはまっています。「海猿」シリーズもそうでしたが、静かな佇まいの奥底に強い信念を持った熱い男を演じさせると、伊藤英明さん、光りますねー。

 

物語の終盤で、真犯人が曽根崎に追い詰められて、その狂気に満ちた動機を露にするシーンでは、真犯人役の○○さんの鬼気迫る演技に鳥肌が立ちます。

(一応、隠しておきます。)

主役の二人に加えて、この真犯人役のキャスティングも実に見事です。あまり悪役を演じることのない役者さんという印象なので、そのギャップにもやられてしまいました。

 

もし、現実世界で同じように過去の殺人犯が「私が犯人です」と名乗り出てきたら、どのようになるのか、考えさせられましたね。

きっと映画と同じように、マスコミにはもてはやされて一躍スター扱いになってしまうのでしょう。

 

そんな、法では裁けない殺人犯に制裁を加えることはできないのでしょうか。

(法では裁けない殺人犯に制裁を加える、などと考えること自体がいけないことなのでしょうか。)

非常に難しい問題ですね。

鑑賞後にいろいろと考えさせられる映画です。

 

 

まとめ

 

観終わった後で複雑な思いが錯綜するという、爽快!スッキリ!という映画ではありませんが、ストーリーの展開が意外性に富んでおり、キャスティングも秀逸という、なかなかよくできた、見応えのある作品だと思います。

 

まだご覧になっていない方は、ぜひ!