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次世代の超高速輸送システム「ハイパーループ」は実現するのか?

 

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はじめに

 

透明のチューブが縦横無尽に張り巡らされて、その中をカプセルのような列車が人々を運んでゆく未来都市・・・。

そんな時代がいつかは来るのでしょうか。

 

2013年にアメリカの実業家、イーロン・マスクが次世代の超高速輸送システム「ハイパーループ構想」を公表しました。

それから5年が経とうとしていますが、現在どのような状況なのか、果たして本当に実現するのか、そのあたりを見ていきたいと思います。

 

ハイパーループとは

 

イメージとしては、病院や銀行、郵便局などで時々見ることができる、「エアー・シューター」を思い浮かべていただければいいですね。

圧縮空気または真空圧を利用して、書類などを筒状の容器の中に入れて、専用の管の中を通して少し離れた場所へ輸送する装置です。

イギリスで1854年に実用化されて、日本でも明治42年から使われている、歴史のあるシステムです。

 

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「ハイパーループ」は、これの巨大なものと考えればよいでしょう。

減圧された(真空に近い)「チューブ」の中を「ポッド」と呼ばれるアルミ製の車両を磁力で浮上させながら走らせる仕組みで、走行時の空気抵抗を最低限に抑えることができるため、最高速度は時速1,220kmに達すると言われています。

これがどれくらいのスピードかと言うと、東京ー札幌間が約40分、東京ー大阪間なら約20分で結ばれる計算ですね。これはもはや音速に近いスピードで、もちろん、列車やリニア・モーターカー、飛行機よりも断然速く移動できるわけです。

 

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ハイパーループ導入のメリット

 

「ハイパーループ」の導入には、いくつものメリットがあると言われています。

 

□ トンネルなどを掘る必要がないので、敷設の費用が鉄道の1/10程度で抑えられる。利用時の料金にもよるが、推進企業としては8~12年で元手が回収可能という試算もあり。

□ 二酸化炭素の排出などがない、非常にクリーンな輸送システムである。チューブにはソーラー・パネルの装備も計画されており、エネルギーの無駄な消費がないように考えられている。

□ 減圧されたチューブの中を浮上して走行するので、騒音問題も起こりにくい。現状の鉄道の騒音問題は、レールとタイヤの接合部および走行時の空気抵抗によるものであり、そのどちらも「ハイパーループ」では問題にならない。

□ チューブの中を磁力で浮上させて走行する仕組みなので、駆動部や接触部が少なくてすみ、メンテナンス費用が低減できる。

 

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現時点での開発状況

  

この「ハイパーループ」の実用化に向けて、現在独自に研究、実験を積み重ねている企業が2社あります。

ひとつは「ヴァージン・ハイパーループ・ワン社」、そしてもうひとつが「ハイパーループ・トランスポーテーション・テクノロジー(HTT)社」です。

 

「ヴァージン・ハイパーループ・ワン社」は、米ネバダ州の砂漠地帯に全長約500mのテストコースを作成し、試験走行を行っている段階のようです。最近では、発進から数秒で時速386kmに到達したというニュースが流れてきました。これは、コースの全長によりそれ以上出せなかったという事情があったようで、もっとコースが長ければ、時速740kmくらいまでは行けたのでは?と予想されています。

走行するためだけの技術開発という点では、実現間近まで近づいてきていると考えて良さそうです。

 

一方、「ハイパーループ・トランスポーテーション・テクノロジー社」のほうはと言うと、カリフォルニア州中央部のクエイ・バレーに全長約8kmの試験走行トラックを建設中ということです(2018年完成予定)。

これだけ見ると、「ヴァージン・ハイパーループ・ワン社」が一歩リードか、と思えますが、HTT社については、韓国やスロヴァキア、アブダビなどの各国との協賛、協力体制を構築しているというニュースが入ってきています(特に、韓国はかなり本気のようです)ので、テスト・トラックを建設しつつ、外交的手段でしっかり足場を固めているとも言えますね。日本の大手企業も協力しているという情報もありますので、数年後に一気に態勢逆転があるかも知れません。

 

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ハイパーループの問題点

 

テスト・トラックができて、試験走行が何度も行われるようになってきたからこそ浮かび上がってきた問題点というものもあるようです。

現在のところ、最も問題視されているのが、「気温の変化によるチューブの膨張・収縮への対処」ということです。

チューブとチューブのジョイント部分でいかに膨張・収縮を吸収できるか、(実際のチューブは橋脚のような建造物の上に設置するので)膨張・収縮するチューブをいかに支えるか、という点で検討、実験を重ねているようですね。

 

技術的な問題が解決されたとしても、運用可能となり実用化するとなると、やはり様々な問題が山積みされています。

まず考えられるのは、加速時のG(重力加速度)ですね。実際に人を乗せて走るとなれば、試験走行で行われているような急激な加速には人間の体が耐えられるとは思えません。さらにチューブがカーブしていたりすれば、そこに遠心力も加わってとてもではないですが快適な乗り心地とは言えないでしょう(超高速で走るジェット・コースターみたいなものですね)。

乗客の安全性に配慮し、ある程度の乗り心地を保証するには、長い加速/減速時間が確保できる=ある程度長距離である必要があり、かつチューブの直線性が必要です。

 

また、実用化にあたっての利便性という点では、いくら遠距離に短時間で行けたとしても、乗車/降車が簡便であることが重要(チューブ内が減圧されているため、乗車/降車時にはいったんチューブを遮蔽して気圧を元に戻して、という数段階のオペレーションが必要)ですし、乗車/降車の地点から目的地市街に到達するまでのインフラ整備も必要になってくるでしょう。

 

輸送/交通手段としての商用化、実用化という観点では、運営する企業の採算が確保できることが重要であり、そのためにはただ速ければ良い訳ではなく、利用する側の利便性、快適性が同時に充足されない限りはいつまでたっても絵に描いた餅で終わってしまう可能性も十分にあると言えるでしょう。

 

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最後に

 

SF映画では、縦横無尽に張り巡らされたチューブの中を列車が走る光景がもうお馴染みですね。

そのような時代が本当にいつか来るのかも知れません。

その足掛かりとなるであろう「ハイパーループ」、ぜひとも実現させて欲しいものです。

生きている間に一度は乗ってみたいですね。