バベルの塔とは、旧約聖書に記述されている伝説の塔のことですね。ノアの大洪水の後、人類がバビロンの地に天にも達するほどの高い塔を築こうとしたのを見て神が怒り、それまで一つであった人間の言語を混乱させて互いに通じないようにしました。そのため、人々は工事を中止して、各地に散っていったといいます。転じて、現在では傲慢に対する戒めや、実現不可能な計画の意味でも使われたりしています。
この伝説の塔を、16世紀の画家・ブリューゲルが色彩豊かに、緻密に油彩画として表しているんですね。ポスターを見ただけでも、その迫力に圧倒されます。一説には、画面上に描かれた人の数は1400人と言われています。細密なだけでなく、圧倒的なボリューム感と迫真性の世紀の傑作ですね。
この展覧会では、その他にも16世紀ネーデルランド美術を支えた絵画、版画、彫刻を約90点出展しているそうです。
7月2日までの開催となりますので、お時間のある方はぜひ足を運んで見てはいかがでしょうか。