はじめに
オリコンの発表によると、2017年上半期の写真集の売上の1位から7位までを、乃木坂46のメンバーが独占したそうです。
ご紹介しますと、
1位 白石麻衣
2位 斎藤飛鳥
3位 橋本奈々未
4位 衛藤美彩
5位 秋元真夏
6位 西野七瀬
7位 桜井玲香
となっています。
確かに、主力メンバーが卒業してしまって現在過渡期にあるAK48や、話題にはなっているけれども個々のメンバーの知名度という点ではまだ劣る欅坂46に比べると、乃木坂46は知名度も勢いも一歩リードした状態であると言えましょう。
しかし、そうは言ってもなぜここまで写真集が売れているのか、ちょっと考えてみまして、以下の三つの理由に思い当たりました。
理由 ① クラスの一番可愛い娘の隠し撮り写真
かつてのアイドルというのは、渋谷や原宿でスカウトされたり、厳しいオーディションを勝ち抜いたり、と、そう簡単に目指そうと思えるものではなく、また、アイドルになってからも、近寄る事も出来ない孤高の存在ではなかったかと思います。
しかし、モーニング娘。が出てきた頃から少しずつ変化を見せてきました。
今では、オーディションも専門の雑誌が刊行されたり、その数も増えて、アイドルを志すハードルがかなり低くなってきています。また、アイドルになってからも、すぐ間近で見られるような小劇場でライブをしたり、握手会をしたり、バラエティ番組でハジケた姿を見せたりと、それは孤高の存在ではなく、ファンが手を伸ばせば届くような(と言うか、実際に触れることができる)距離にあり、親近感を抱きやすい存在になっています。
遥か遠い雲の上の存在ではなく、言って見れば「クラスの中で一番可愛い娘」くらいの微妙な距離感を保つ事が、現代のアイドル産業のひとつの重要なファクターであり、乃木坂もその例には漏れません。
遠足や修学旅行、運動会などでクラスの可愛い娘を隠し撮りしたり、なんてことは昔も今も変わりませんよね。
乃木坂のメンバーの写真集というのは、クラスの可愛い娘の隠し撮り写真と同じような存在なのではないでしょうか。
話そうと思えばいつでも話せるのだけど、なかなかそれができなくて、隠し撮りしたお気に入りのショットをいつも自分のそばに置いておいて眺めていたいという心理が、購買意欲につながっているのではないかと思います。
理由 ② そう簡単には肌は見せない
上で述べた微妙な距離感を保つという戦略は、AKBも乃木坂も変わりはありません。
その戦略が大きく異なるのは、AKBが雑誌のグラビアや新曲PVなどで惜しげも無く水着姿をオープンにするのに対して、乃木坂はそのような露出を一切行わないことです。
(写真集からのカットが雑誌などに掲載される場合はあります。)
しかし、ファンの心理としては、水着姿も見たいし、セクシーショットも見てみたい(そうでないファンの方もいるかも知れませんが)。
写真集にはそれがある!となれば、それは立派な購買理由になりますね。「お宝」としてどうしても手元に置いておきたいという購買意欲につながると思います。
理由 ③ 女性からの支持の高さ
乃木坂は、他のアイドルと比較して女性のファンの率が高いということです。
その理由としては二つあって、一つは上の理由②でも述べたように、過度な露出をあまりしないこと、そしてもう一つは、女性誌のレギュラーモデルを務めているメンバーが多いということです。
特に二番目の点については、
白石麻衣: 「Ray」専属モデル、「LARME」レギュラーモデル
齋藤飛鳥: 「sweet」レギュラーモデル
西野七瀬: 「non-no」専属モデル
衛藤美彩: 「美人百花」レギュラーモデル
というように、多くのメンバーが女性誌を舞台に活躍されています。
これによって、女性の読者から「同じ服を着てみたい」「同じように綺麗になりたい」という共感や憧れを抱く存在となり、結果として写真集を手にする女性層を増やすことにつながっているのではないかと思います。
まとめ
以上が、乃木坂のメンバーの写真集のセールスが好調な理由であると考えます。
個人的には、AKBも乃木坂もどちらも好きなので、どちらがいいとか悪いとか決めるつもりは全くありません。
(この年になると、「少女達が凄い努力をして頑張った結果として、晴れ舞台に立つことが許されている」と思うだけで、胸が熱くなります。)
ただ、数字がある事実を物語っていて、それにはそれなりの理由がある、ということを少し考えてみました。
大人達の商業的な戦略は置いといて、AKBや乃木坂、欅坂のメンバーには、これからも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたら、とても嬉しいですね。