はじめに
友人に頼まれてサッカーの助っ人に行った
一念発起してジムに通い始めてみた
最近食べ過ぎ気味なのでランニングを始めた
・・・
「スポーツの秋」到来、身体を動かすのが気持のいい季節になりました。
汗をかいて気持ちのいい疲労感!
また運動後のビールが美味しいこと!
でも、次の日になると恐怖の筋肉痛がやってきます。
足が痛い、腕が痛い、腰が痛い!
そんな思いをしないように、筋肉痛にならないために、運動の前と後でやっておいた方がいいことをまとめてみましたので、参考にしてくださいね!
筋肉痛はなぜおこる?
筋肉痛が起こる理由ははっきりとは解明されておらず、以下の二つの説が有力だと言われています。
■ 「乳酸」説
古くからある説は、筋肉に負担をかけた時に生成される「乳酸」と呼ばれる物質が筋肉の毛細血管に長時間残存し、これが筋肉への酸素供給を阻害して鈍痛を引き起こす、という説です。
■ 筋肉損傷説
これに対して、最近では過度の運動によって損傷した筋肉が炎症を起こして痛みを発生させる、という説が主力になっています。
筋肉は伸縮性の高い「筋細胞」とその筋細胞を接着する伸縮性のない「結合組織」から構成されています。筋肉を大きく動かして形が変わると、その伸縮性のない結合組織が損傷し、炎症が起きるといわれています。
筋肉痛は、その炎症によるための痛みだと言われています。
どちらの説が正しいのか、あるいはどちらの説も不正解なのかもしれないですが、過度の運動の後で筋肉痛が発生し、かなりツライ痛みになる場合もあることは紛れもない事実です。
では、筋肉痛にならないようにするにはどのようなことに気を付けたらよいか、見ていきましょう。
運動の前に
食事
運動前にしっかりと摂取しておきたいのは、
・糖分
・水分
の二つです。
運動中の筋肉のエネルギー源である糖質が枯渇してしまうと、筋肉のたんぱく質を分解してアミノ酸をエネルギーとして使いだしてしまいます。
ですから、運動前にしっかりと糖質を補給しておくことは筋肉痛の予防という観点ではとても大事なことです。
また、水分が不足してしまうと、運動のパフォーマンスが落ちるだけでなく、筋肉の疲労の度合いも強めてしまいます。
このようなことから、運動前の「糖分」「水分」の補給はしっかりとしておきましょう。
ウォーミング・アップ
筋肉痛を防ぐために、運動の前には必ずウォームアップとして軽いジョギングやストレッチなどを行うようにしましょう。
ジョギングの場合は身体が少し汗ばむ程度に走れば十分です。
運動前のストレッチは、立ったまま関節の曲げ伸ばしや回旋など関節運動で筋や腱を引き伸ばしたり、実際のスポーツや運動に近い動きを取り入れた、柔軟性を向上させる「動的ストレッチ」を行い、体のエンジンをかけます。
ラジオ体操を行ってもよいでしょう。
運動中は
こまめな水分補給
汗をかくことで血液中の水分が減ると、血液がドロドロになって循環が悪くなり、酸素や栄養のめぐりが悪化するため、筋肉痛を引き起こしやすくなります。
運動前後はもちろん、運動中も忘れずこまめに水分補給をしましょう。
運動の後で
クールダウン
スポーツの前の軽いジョギングやストレッチは筋肉痛の予防になりますが、筋肉痛になった後でも、軽いウォーキングやストレッチなどを無理のない範囲で行い、血行をよくすると筋肉痛の治りが早くなります。
アイシング
激しい運動をして炎症や熱がある場合は、まず傷めた筋肉を冷やし、熱を鎮めます。その後、熱がなくなって落ち着いたら、温めて血行を促します。
炎症や熱がない筋肉痛では、最初から冷やさずに温めて血行をよくする方が回復が早くなります。
入浴
いつも通りの温度で入浴をすると、かえって筋肉が疲れてしまい、筋肉痛が悪化するということもありますので、ぬるま湯がおすすめです。筋肉痛がひどい場合は、シャワー程度でも良いでしょう。
ぬるま湯に浸かった場合は、湯上りに軽くマッサージをするのも効果的です。
ただし、強いマッサージは筋肉を硬くしてしまうので、筋肉痛がある間は避けましょう。
食事
運動後に積極的に摂取してほしい栄養素は以下の3つです。
・たんぱく質
・ビタミンB群
・クエン酸
少し詳しく見ていきましょう。
<たんぱく質>
たんぱく質は傷付いた筋肉の修復や筋合成に使われ、消化されるとアミノ酸に分解されて筋肉や内臓、皮膚、血液などの材料となります。
たんぱく質には、肉・魚介類・卵・乳製品などの動物性の食品に含まれる「動物性タンパク質」と、豆類・穀類などの植物性の食品に含まれる「植物性タンパク質」がありますが、どちらでも問題ありません。
運動の直後は内臓も疲労しているため、食べやすいものや消化しやすいものなどが良いでしょう。
摂りやすいものとしては、豆乳、プロテイン、ヨーグルト、チーズ、サラダチキン、具が多めのおにぎり(鮭、たらこなど)などがおすすめですね。
<ビタミンB群>
ビタミンB群には、体を動かすエネルギーとしての役割と筋肉を修復する役割があります。
この栄養素が足りなくなると、筋肉を動かして血流をよくしたいと思っても、筋肉が十分に動かなかったり、痛めた筋肉の修復が遅れてしまうことになります。
豚肉には筋肉の修復を助けるビタミンBが牛肉の10倍近く含まれていると言われており、たんぱく質も合わせて摂取できるため、非常に優良な食材です。
おすすめ料理は「豚肉の生姜焼き」ですね。
理由は、前述した豚肉にビタミンBが多いこと、野菜と一緒に調理するため、ビタミンCなどの栄養素も一緒に摂取できること、生姜の効果によって体を温めて代謝を促せること、などです。
<クエン酸>
クエン酸には乳酸を分解する作用があるため、筋肉痛の回復に有効な食材です。
多く含まれている食材としては、黒酢、果物(レモン、いちご、グレープフルーツなど)、梅干しなどがありますが、おすすめは「リンゴと黒酢のジュース」です。
リンゴの甘さとリンゴに含まれるクエン酸・リンゴ酸によって相乗効果が生まれますし、何より簡単に作れて、簡単に飲めるので、運動後の疲れている時には最適ですね。
睡眠
睡眠中には、成長ホルモンが分泌されます。
この成長ホルモンが、筋肉痛からの回復をより促してくれると言われていますので、運動後の十分な睡眠は、とても大事ですね。
睡眠時間としては、やはり6時間程度の睡眠は必要と言われています。
また、睡眠時間とともに、睡眠の質というのもとても重要になります。
深い眠りであれば、成長ホルモンがより多く分泌されて、浅い眠りであれば、成長ホルモンの分泌が抑制されてしまいます。
なので、
・寝る前にスマホやPCの操作をしない
・寝る前にカフェインを摂取しない
などに注意して、質の高い、十分な睡眠を取るように心掛けましょう。
筋肉痛と加齢について
余談ですが、「筋肉痛が次の日に出るのは加齢のサイン」とよく言われますが、これは正しくありません。
筋肉痛が出るタイミングは、行った運動のタイプによって異なります。
筋肉は「瞬発力系」と「持久力系」の2種類に大別されますが、このどちらを使ったかによって筋肉痛の出るタイミングが異なります。
短距離走などの瞬発力系の筋肉を使った場合には、運動後すぐに筋肉痛が起こり、マラソンなどの持久力系の筋肉を使った場合には、数日後に筋肉痛が出ます。
サッカーやバスケットボールといった球技は前者、そしてハイキング、ウォーキングなどは後者に該当します。
旅先で歩き回った2~3日後に筋肉痛が出たからと言って「もう歳だな...」と落ち込む必要はまったくありませんよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
普段から運動をしている人でも、油断は禁物ですよ!
「明日のサッカー、久しぶりでちょっとヤバいかも知れないな」と思ったら、ぜひ実践してみてくださいね!